魅力的なアンティーク振袖

 

「アンティーク着物」とは一般的に昭和10年代の戦前の着物で、今から70年以上前に作られたもので古いものには江戸自体末期からといものがあります。現代には無いロマンを感じさせる着物で、NHKの朝の連続ドラマや大河ドラマに影響を受けたレトロな着物が大好きと言う人たちに人気の着物です。現代の振袖の柄とは違うためレトロ感のあるアンティーク振袖は一目を引く逸品です。

アンティークの着物には化学繊維や化学薬品を使われておらず、天然の素材（多くは絹、他には木綿や麻）を天然の染料で染められています。そして絹については時代を感じさせてくれるもの。絹は明治時代初頭の日本にとって主力製品、海外への輸出に合わせて日本国内でも絹が多く出回りました。絹の光沢や着心地は木綿や麻とは比べ物にならず当時は庶民も絹の着物を購入、価値のあるものなので貧しくなったら質入れする習慣もありました。振袖は晴れの席で来ていたこともあり絹で作られたものが多くあります。

 

時代を越えてきたアンティーク振袖

 

晴れの席に誂えられてきた振袖には時代の流行が顕著に表れています。特に大正時代のものには当時の流行が現れていて、いわゆる「大正ロマン」を肌で感じられるものが多いです。大正時代は明治や昭和と違い、おおらかでのびのびしている印象が強い時代です。新しい時代に向かっていく傾向が強い時代で、女性も「女たるもの」と言われきた明治時代の風潮から脱却して自由に個性を伸ばしていった時代です。

今では本屋さんに当然の様に広いスペースを占めている女性向けの雑誌が生まれたのも大正時代です。華やかなファッションが好まれ、斬新なロマンチック柄の振袖などが好まれました。「大正ロマン」は女性の自立の象徴なのです。そういう時代背景を知っていると、成人式に着る振袖にロマンチックな大正時代のアンティーク着物は意味深長に感じられます。

 

アンティーク振袖を購入する時の注意

 

アンティーク振袖は時代を越え、多くのオーナーに着られてきました。だからこその味でもあるのですが、実際に劣化は否めません。実際今の時代は振袖を着る機会は数回程度です。ですからあなたが着たあとはあなたの子ども・孫へと受け継いでいくことができます。だからこそ、アンティーク振袖の購入には注意して下さい。一つは生地が弱っていないか、お尻の部分の生地の薄さと、裾の擦り切れ、その他にほつれが無いかなども注意して下さい。「高かったのに破れてた」「擦り切れているものを売るの？」と驚く人もいますが、アンティーク着物は生地目的で買う人も多くいます。そう言う方々には布の部分的な劣化は問題では無く、売り手も時代的価値で高値を付けているケースもあります。

また70年以上前の女性はいまの女性の平均身長よりも低いです。昭和20年代の調査では当時の30代の女性の平均身長は約148cmなので、アンティーク振袖を愛用していた女性たちはいまの女性から見ると小柄な人たちです。インターネットでアンティーク振袖を買うときはサイズに十分注意するようにして下さい。

 

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